2017.5.1 UP DATE

【ミマス連載】「歌と旅と星空と」~第1章『地球星歌の旅』 Vol.1 南米大陸

 日本全国の学校や合唱団で歌われ続けている合唱曲《COSMOS》や《地球星歌》。旅の体験や星空の影響を受けた作者のミマスさんが自身の想いをこめた歌です。そのメッセージが、十数年の時をかけて歌とともに広まっています。


 この連載ではプロローグに続き、ミマス作品に込められたご本人の体験をエピソードとともに紹介していきます。


 2007年、世界一周航空券を手に、5ヶ月かけて世界のいろいろな国を巡る旅へ。南米やアフリカ、ヨーロッパなどを周りました。地球の雄大な自然と、感動的な絶景の数々。それとともに、深く印象に残っているのが人々の優しさです。どこの国へ行っても、見知らぬ僕たちに対して、家族や友人のように温かく接してくれる親切な人たちが大勢いたのです。

 

 旅から帰り、出会った人々への感謝、そして、地球という一つの星をわけあう全ての人々への想いを込めて作ったのが《地球星歌》です。


Vol.2 アフリカ大陸はこちら

Vol.3 ヨーロッパはこちら

 

 《地球星歌》を作るきっかけとなった半年間にわたる世界一周の旅は、南米から始まりました。南米大陸はどの国もバスの路線網が充実しており、主要な町の間には一日に多くの便があります。そうした路線バスを20回以上乗り継いで、エクアドルからアンデス山脈に沿って南下し、パタゴニアを巡り、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスまで旅したのです。大陸を反時計回りに半周したわけですね。

 

 エクアドルで印象的だったのは高原の町クエンカ。世界遺産に登録されているこの古都はアンデス山中の標高2500mの場所にあるため、赤道直下でも涼しいのです。街のシンボルの大聖堂はとても荘厳で美しかったです。

 

 


01 エクアドル、世界遺産の街クエンカ。大聖堂の美しい青い屋根が大空に映えます。

 

 

 ペルーは日本人にもよく知られ、人気の国ですね。有名なマチュピチュ遺跡にナスカの地上絵。インカ帝国の首都だったクスコの美しい街並み。遠い昔の人々が高度な技術や文明、そして文化を持っていたことを思い知らされ、感動の連続でした。とくに思い出深いのは、チチカカ湖に浮かぶ島の一つにホームステイしたこと。チチカカ湖畔の町・プーノには周辺の見どころへ観光客を連れて行ってくれる旅行会社が多くあり、さまざまな現地ツアーを用意しています。その中に、チチカカ湖に浮かぶ島々を巡り、その集落の民家に泊まらせてもらうというものがあるのです。島に住んでいるのは、太古からこの地に暮らしている先住民族インディヘナの人々。素朴な生活スタイルと独自の文化を守り続けています。僕たちが泊まったアマンタニ島には電気がなく、日が暮れると辺りは真っ暗。頭上には銀の砂をまいたような凄まじい満天の星空が広がります。いつまでも庭先で壮大な天の川を見上げていました。お世話になった一家の皆さんが話すのは自分たちの民族の言葉だけ。学校でスペイン語を習っているという15歳の娘さんとやっとの思いで意思疎通をしたのも懐かしい思い出です。

 


02 ペールのマチュピチュ。急峻なアンデスの山上に巨大な遺跡が広がっています。

 

 

 ボリビアで有名なのはなんといってもウユニ塩湖です。雨季になると広大な塩の大地に薄く水が張った状態となり、文字どおり『天を映す鏡』となります。水平線を境にして、上が空で下も空。それはそれは、神秘的な体験でした。

 

 
03 ボリビア、ウユニ塩湖の夕暮れ。水深は最大でも数センチほど。水の上をどこまでも歩いていけます。

 

 

  チリとアルゼンチンの南端部はパタゴニア地方といって、氷河や大草原が広がり、アンデスの鋭い岩峰が天を突き刺す秘境です。ここを訪れることは旅の最大の目的でした。チリのパイネ国立公園ではトレッキングを存分に楽しむことができました。アルゼンチンの氷河国立公園では、生まれて初めて見た氷河の大きさと美しさに圧倒されました。

 

 

04 チリのパイネ国立公園。トーレス・デル・パイネと呼ばれるこの岩峰は、この旅でいちばん見たかったもの。

 


05 アルゼンチンのロス・グラシアレス(氷河)国立公園。数ある氷河の中でも、このペリトモレノ氷河は正面から大迫力で見ることができます。

 

 

 南米を巡るの旅の最後はブラジルとアルゼンチンの国境にあるイグアスの滝。世界三大瀑布の一つです。ここは、一緒に旅をしたSachiko(この旅は新婚旅行でした)が最も憧れていた場所でした。この滝の巨大さと美しさはとても言葉では表せません。アルゼンチン側の展望台に2日、ブラジル側の展望台にまる1日。合計3日間も僕たちは、滝とそこにかかる虹をひたすら飽きずに眺めていました。
 


06 ブラジル側からの展望台から見たイグアスの滝。太陽の動きにあわせて、虹の位置が刻々と変わって行きます。

 

ミマス 

 

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ミマス プロフィール

 

 

 

 

 

 

 

 

Sachikoの澄みわたるボーカルと、ミマスの詞と曲を基盤とする音楽ユニット「アクアマリン」のメンバー。1998年6月結成。作詞作曲、キーボード、ギター担当。星空・宇宙・自然・旅などをテーマに、生命の大切さや生きることの素晴しさを歌う。天文やアウトドア系のイベント出演、プラネタリウムでのコンサート多数。文部省国立天文台後援のスターウィーク(毎年8月1~7日)1999年のテーマソング《COSMOS》でメジャーデビュー。混声三部合唱の楽譜が発売され、全国の学校や合唱団で歌われている。

 

合唱曲になっている代表曲:『COSMOS』『地球星歌~笑顔のために~』『明日の空へ』『Voyager(ボイジャー)』『星降る里』『いつかこの海をこえて』『一つの明かりで』『心のなかの広い宇宙を』『つないで歌おう』『エスペランサ~希望~』

 

5月27日生まれ。双子座A型。神奈川県茅ヶ崎市出身。茅ヶ崎市立西浜小学校、西浜中学校、茅ヶ崎北陵高校、法政大学文学部地理学科卒業。小学校5年生のとき理科の授業をきっかけに星や天文に興味をもち、平塚のプラネタリウムに毎週通って星座を覚える。そのときプラネタリウムのBGMとして流れていた美しいシンセサイザー音楽に魅かれ、人生で初めて音楽を好きになる。現在は神奈川県平塚市在住。

 

1996年10月からパーソナリティをつとめているラジオ番組「ミマスの星空音楽館」は、地元のラジオ局・FM湘南ナパサ(78.3MHz)で毎週日曜20:00~21:00に放送中。
2001年から天文雑誌の月刊誌『星ナビ』(毎月5日発売)で毎月コラムを連載している。
2016年8月8日、初のエッセイ『君も星だよ~合唱曲《COSMOS》に込めたメッセージ~』(音楽之友社)が発売。

 

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