2017.7.5 UP DATE

【レポート】デュエットゥのノリノリ連弾セミナー in フォルテ・オクターヴハウス

 

6月29日(木)/フォルテ・オクターヴハウス(東京・池袋)
写真・文:編集部

 

 ピアノ・デュオのデュエットゥが、6月29日(木)、音楽専用シェアオフィス「フォルテ・オクターヴハウス」初となるピアノ指導者向けのセミナーに登場した。会場は、オクターヴハウス内にあるイベントスタジオを開放。おふたりが普段から頻繁に利用しているという、「ミュージックスタジオ・フォルテ」の下の階にある系列で、東京・池袋駅東口から徒歩1分の好立地にある。

 

 今回初めてセミナーを主催するというオクターヴハウスには、連弾に熱心に取り組むピアノ指導者やフォルテの会員、デュエットゥのファンらが来場。デュエットゥの細やかでユーモアあふれる講演と、4手が繰り出す色彩豊かな連弾に、終始感嘆の声が上がっていた。

 


 

 まずは、ゼネラルマネージャーである大塚謙太朗さんから、1年半前にできたオクターヴハウスの紹介。

 

「音楽を職業としている方に、事務所の代わりとして使っていただいて、事務的なお手伝いができたらと思っています。この南池袋の住所を使えて、宅急便も代わりに受け取っておけます。レッスンの合間にラウンジで休憩したり、生徒さんの入会案内には会議室を、簡単な演奏会や親睦会にはこのイベントスタジオを利用できます。先日は映画の上映会にも使っていただきました」

 

 さて、いよいよデュエットゥが登場か、と思っていると、おもむろに150インチのスクリーンに、映画の予告編のような迫力ある映像が流れ始めた。予想外の展開に、来場者もどよめく。

 


冒頭で重低音の効いた予告編が流れる。

 

 映像によるデュエットゥの紹介が終わる。異例の演出を担当したのは、映像作家でH2O映像制作代表の原寛さん。デュエットゥのコンサートでは、音楽のイメージに合わせたプロジェクションマッピングを用いて、立体的な光の映像でステージを演出しているとのこと。

 

 大掛かりな映像の演出のあとで、少し照れたようにリアルなご本人たちが登場。プリモの木内佳苗さんとセコンドの大嶋有加里さんだ。5歳のときにピアノ教室で出会って以来、デュオとして活動しているそうで、演奏はもちろん、トークの息もぴったり。

 


デュエットゥのプリモを担当する木内佳苗さん。

 

 木内さんが冒頭、「ピアノを弾いていると『頭がよくなる』といいますが、連弾を取り入れると、知能だけなく、心も育つのですよ」と話し、その理由として、「連弾はふたりで一緒に作り上げるものなので、コミュニケーション力や協調性がアップしますよね。そして、いくら練習で仕上げていたとしても、本番では全然違うことをしてしまうこともあり、様子を見て相手に合わせたり、引っ張っていくフォロー力がアップします」と説明した。

 

 今回のテーマは「ピアノ連弾をとりいれて、音楽も人も育てよう!」。楽譜デュエットゥ ノリノリ連弾をテキストにして、セミナーが開始する。

 


楽譜『デュエットゥ ノリノリ連弾

 

 まずは「のりのりロシアンメドレー」。短調が多く、哀愁ただようロシア民謡に似合うということで、冒頭と終盤に鍵盤ハーモニカが出てくるが、その息の使い方やテンポ感の変化のつけかた、どのように呼吸を合わせていくのかなどを楽譜を追って解説していく。メロディと伴奏が交互に移るときなどのプリモとセコンドの役割も、どう聴き合っていくのか実践した。

 

 「アイリッシュ! 愛wish!!」は、アイリッシュ・ミュージックの連弾アレンジだ。そのイメージとして、「映画『タイタニック』の主人公ふたりが踊っているときの音楽」を例に出す。もともと楽譜はなく、口頭伝承されている音楽で、次々にさまざまな楽器がセッションし、メロディの中にリズムも入っていると説明。そうしたスコットランド民謡やケルト音楽は鍵盤ハーモニカが合うということで、オープニングにダブルで鍵盤ハーモニカを演奏するようにアレンジされている。このときのメロディの歌い方や息の入れ方も実演した。

 

 

 

 ここで、連弾で気をつけるべきポイントを紹介するコーナー。子ども同士、大人同士、子どもと大人の3パターンのペアの組み方について、それぞれ指導するときのポイントを挙げていく。

 

 子ども同士の場合は、子どもの性格によってプリモ、セコンドをどう選ぶか、それぞれのパートで何が大事か、先生が陥りがちなこと、どう手元をチェックするのかなど、連弾ならではの考え方を細かな部分まで解説。なんと、イスの高さにも気を配っているそうだ。さらに、ふたりの意識を揃えるために行なうべき確認作業を6つ挙げ、超実践的な内容に踏み込んで伝えていく。

 

 大人同士の連弾においても、ふたりの意識のずれを合わせていくことが重要。全国を回ったときにアンケートをとって意見をもらったそうで、その内容を公開した。

 連弾をしてよかったこととしては、「呼吸を意識するようになった」「パートナーの音を聴いて、その日の健康状態がわかるようになった」、「人生観が変わった」などのほか、「ピアノが狭いからダイエットになった」という笑えるものまで。

 よくなかったこととして、「間違ってもわからないと思ったら、意外にそうでもなかった」「ピアノがこんなに狭いと思わなかった」、「本番のテンションが相手と違います」などなど、連弾を実体験した人の「連弾あるある」話に花が咲いていた。

 


セコンドを担当する大嶋有加里さん。

 

 デュエットゥの場合、セコンドの大嶋さんは木内さんの調子が悪いときは「無視する」(笑)、プリモの木内さんは「演奏中の場合は、合わせて乗っかっていく。プリモはセコンドに乗っていくしかないのですよね」と心のもっていき方を語った。

 

 そして、子どもと大人のペアでは、おすすめの曲と演奏のポイントを紹介。「うきうきアルプス一万尺」「こいのぼりサティ風」では、セコンドを担当することが多い先生が意識するべきことなど、気持ちよく弾く方法を解説。《白鳥の湖》をラテン・アレンジした「情熱の白鳥」は、来場者に参加してもらい、手拍子やカラダを使って、ノリノリの感じを体験。やさしい温かいメロディが卒業ソングにぴったりのオリジナル曲「いつもとなりで」は、観客に促されて1曲全部を演奏するうれしい展開になった。

 

 

 熱気が会場にあふれたところで、休憩を兼ねて、大嶋さんのプレゼンコーナー。今年のテーマは「デュエットゥ× IT」ということで、「プレジ」(prezi)というプレゼン・ソフトを使って、「ピアノに活かせる話がピアノ以外の本にある」と特にビジネス関連のお勧め本として、アンダース・エリクソン著『超一流になるのは才能か努力か?』(文藝春秋)を紹介。デュエットゥのレッスンでも、本に出てくる「限界的練習」を子どもに伝えて、どんどん課題を増やしていき、課題をクリアしていった事例があるそうだ。「ピアノとは違う分野の本に、ピアノのレッスンに活かせるヒントを見つけてみてください」と締めくくった。

 

 

「ノリノリ連弾」のユーモアのあるアレンジには、リレー連弾もある。立候補した来場者8名が2名ずつのペアになって「ぐるぐる森の動物たち」を順番に弾いていく。即席にもかかわらず、テンポもばっちり、呼吸も合って拍手喝采でセミナーは終了。

 

 最後に、デュエットゥのミニコンサートとして、妖艶な色の照明のなか「マラゲーニャ」「リベルタンゴ」を熱演。おふたりの息が切れるほどの激しさと、ラテンの抑揚のカッコよさを堪能でき、さらにアンコールに「もっと息が切れる曲」で応え、実に盛りだくさんの内容であった。

 


リレー連弾は、ぐるぐるスムーズにリレーされていく。

 

 ……と、ここでまだ終わらず、冒頭にも登場した映像作家の原さんが、当日の様子を撮影した映像をダイジェストで映す。つい先ほどまでの自分たちの様子が、もう編集されていることに驚嘆の声があがり……そして、本当に幕を閉じた。

 


少し感動さえ誘う、締めの映像。

 


映像作家の原さんは、デュエットゥの連弾を360°カメラで撮った
VR(バーチャル・リアリティ)も視聴できるように用意しており、
ひと味違った楽しみを提供してくれた。

 

 本当に最後の最後まで盛りだくさんのデュエットゥのセミナー。今回はオクターヴハウス主催のセミナー第1弾ということで、スタジオの大型スクリーンもフルに使った企画をデュエットゥが演出してくれたとのこと。

 

 オクターヴハウスでは、第2弾、第3弾の予定も決まっているので、ぜひ明るいきれいな環境で学んでみては?

 


 

<次回以降のセミナー>

●山本美芽 ピアノ教本セミナー
もっと知りたい! ピアノ教本 〜歴史と特徴〜

日時:7月7日(金) 10:00〜12:00
受講料:一般 3,000円/ミュージックスタジオ・フォルテ会員 2,500円
詳細PDF

 

●古畑由美子 ロシア奏法によるピアノ教本『はじめの一歩』実践セミナー
美しい音を求めて… ノン・レガートからレガートへ

日時:2017年7月27日(木) 10:00〜12:00
受講料:一般 3,500円/ミュージックスタジオ・フォルテ会員 3,000円
詳細PDF

 

会場:オクターヴハウス内 イベントスタジオ

 

 

<セミナー申し込み/問い合わせ>
フォルテ・オクターヴハウス
〒171-0022 東京都豊島区南池袋1-26-9 第2M.Y.T.ビル8階
Tel.03-3982-8711 Fax.03-3982-8710
電話受付時間:10:00〜21:00

 

 

 

▼ 設備や料金などの詳細はこちら
https://forte-octave.jp

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